へんろ道に咲く花1輪・・・そんな花になりたい・・・
Category :
学校
Ⅱ 宗教法人の設立
1.宗教団体の要件
(1)宗教法人法上の宗教団体
・同じ宗教を信ずるものが集まり、一つの信仰共同体(宗教団体)が形成されると、その資産を共同体の資産として管理運用していくことが必要に。
・団体が社会とのかかわりを増すにつれ、法律上の人格(法人格、権利義務の主体となりうる能力)を備える必要性が増す。
→宗教法人法⇒「宗教団体が、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他目的達成のための業務及びじぎょうを運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力を与えること」を目的とする。
・宗教団体が宗教法人法により法人格を取得した場合・・・
1.不動産を法人名義で登記できるなど財産管理上の利点が与えられる。
2.各種の税制上の非課税措置が摘要される。
・宗教法人法にいう「宗教団体」とは・・・
① 宗教の教義をひろめ、
② 儀式行事を行い
③ 信者を教化育成することを主たる目的とする、
(ア) 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体(単位宗教団体→包括宗教団体のあるもの=「被包括宗教団体」、ないもの=「単立宗教団体」)、
(イ) (ア)の団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体(包括宗教団体)→(宗2)
⇒これらの要件を備えていなければ、宗教法人法上の「宗教団体」とはいえず、宗教法人にはなれない。
・ 宗教法人法上の「宗教団体」と憲法上の「宗教団体」の広狭を比較すると・・・
憲法上の「宗教団体」には信教の自由を保障する観点から、布教、礼拝、宗教の進行などの宗教活動を行うことを目的とする団体((財全日本仏教団など)を広く含み、宗教法人法上の「宗教団体」より広い概念。
(2)宗教団体の要件を詳しく見る。
①「宗教の教義を広め・・・」
・ 一つの宗教、宗派・教派などが成立するところの教え、信仰内容の理念的体系を布教することをいう。
・ 宗教の教義は一般に、神観、信条、戒律等をその内容としますが、形式的に必ずしも教典・経典などのかたちをとることを要しない。
→人相・手相・骨相を見たり、按摩・針・鍼灸などを営む宗教団体もあるが、これらは宗教法人法上の「宗教団体」とはいえない。
②「礼拝の施設を整える・・・」
・ 「礼拝の施設」=神社の本殿、拝殿、寺院の本堂、教会の会堂など礼拝の用に供される宗教上の建物、土地、場所などの物的施設のこと。宗教団体の宗教活動上、最も中心となる施設のことで、境内地、境内建物よりは狭い概念。
・ 宗教法人法は「宗教団体が、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他目的達成のための業務及びじぎょうを運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力を与えること」を目的としているので、宗教団体に保全すべき財産がなければ、法人格を取得する意味はない。→礼拝の施設は原則自己所有であるべき。
※やむを得ない場合、特に土地については、借用でも、地上権、貸借権その他正当な権限に基づいて長期間安定して使用できる保証があれば認められることもある。
※礼拝の施設は私邸の中の施設のような閉鎖的なものであってはならず、公衆に開放されていることを要する。
③「包括する」
・ 単位宗教団体を構成要素として、ある共通の宗教上の目的の下に一つの統一的組織(包括宗教団体)があるとき、構成要素としての単位宗教団体(被包括宗教団体)との関係を表す言葉。→必ずしも本山と末寺の本末関係と同概念ではない。包括・被包括関係≠支配・制約。宗教の教義や信仰共同体のあり方に基づき様々な態様が存在。
・ 包括・被包括関係の内容は包括宗教団体と被包括宗教団体との間の取り決め、約束によって決定される。歴史的経過によるある特定の形で存在していることが多い。
・ 法律上、人格は平等のため、包括宗教法人と被包括宗教法人は対等、契約関係にある。
PR
この記事にコメントする