仏教を分けると顕教(お釈迦様)と密教(大日如来)に・・・。
密教は秘密の仏教です。
では何が秘密なのか。その秘密は、①大日如来の持つ秘密と、②まお達衆生の持つ秘密の2つに分けられます。(秘密には二義あり。)
①大日如来の秘密は如来秘密といいます。如来という仏だけが熟知していて、人間にはおいそれとわからない秘密だからです。というのは大日如来は内なる悟りを秘めて、その境地を容易に詳らかにされません。だからその境地は容易に覗うことが出来ないからです。
お釈迦様は、言葉を使い、説話や譬えで仏の教えを現された。だけどそれは真理の一面にしか過ぎなかった。というのは言葉という限りのあるものですから。真理の奥の奥を現すのに言葉だけでは無理なのです。それでもお釈迦様は煩悩という魔を打ち負かし、座禅開始21日後、悟りをひらかれます。悟りにいたる道のことを八正道といいます。
八正道→・正見:とらわれの心を捨ててものごとをありのままに正しく見ること。
・正思惟:ものごとを正しく考え判断すること。
・正語:正しい言葉を話すこと。
・正業:正しい行いをすること。
・正命:規則正しい生活をすること。
・正精進:正しい努力をすること。
・正念:正しい思いと目標を持つこと。
・正定:心を正しく安定させ常に心を安らかにすること。
経典にはこのような悟ったお釈迦様の言行が書かれてあり、それを土台に真実に至ろうとするのが顕教。だからお釈迦様を間に介して真理を知ろうということになります。
これに対し密教では、直接真理に至ろうと考えます。その方法こそが、自分が仏になること、つまり即心成仏?
②衆生の持つ秘密を衆生秘密といいます。人間は誰でも仏性を持っています。それなのに、その本性を自分の無知や煩悩で覆い隠しわからなくし、本来秘密ではない仏性を自分で秘密にしているからです。→本当はたくさんの人から愛されているのに、孤独だ、と思い込んでいる・・・。