へんろ道に咲く花1輪・・・そんな花になりたい・・・
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はなへんろ
1.密教とは何か。
→最も密教らしい護摩と灌頂という具体的儀礼を考察
・ 護摩→聖なる空間を設けて、諸々の尊格に火の神アグニを通じて供物をお供えする儀式。
→儀礼の根源はヴェーダ(BC1000~500)の儀礼にさかのぼる。密教では胎蔵曼荼羅の一番外側の隅の東南の角におられるこの神をお招きして護摩供養を開始。
※ 火→宗教の源。アグニ神はインド定住以前のアーリア人の火の信仰に遡る。
※ アグニ神ははラテン語では火の神イグニス(→イグニッションキー=点火鍵)
→東ヨーロッパに住んでいたインドヨーロッパ語族と源は一緒。
→放牧をしながら南下、①古代ペルシャと②西北インドにそれぞれ宗教を築く。
↓ ↓
ゾロアスター教(拝火教) ヴェーダの宗教
光の神 = 遍照
∴牧畜民の火は、命の営みの最も貴重な手立て→火を信仰、儀礼発生→密教の護摩供養へ。
・灌頂→ヴェーダの時代が端緒。本来帝王の即位式の時に四大海(須弥山(しゆみせん)の四方にあるといわれる大海)の海水を集め、それを頭上に注ぐ儀式。水の観念と密接に関連。
※ 華厳教→菩薩が仏になる直前の最終段階で灌頂。
※ インド一般の宗教儀礼全般→ジャイナ教(数年に一度大灌頂)、仏教(→密教)
※ キリスト教の洗礼→イニシエーョン(入会式)意味合いが強い=密教の灌頂儀礼
※ 水による浄化。儀礼の場を浄化する。
→いのちの認識
密教の淵源はインドの文明の夜明け以前の、人々のいのちの営みに遡り、今もそこへ直接接続する。→現代人が忘れがちな根源的なものを直に認識できる方法を持つ。
・ 火と水の祭式と命の循環
インド思想の特色→輪廻、業という観念。ヴェーダにはなく、初期のウパニシャッドの時代に成立。
① 水→水の循環(地上の水→蒸発→雨→地上の水)が生き物の生と死の繰りかえし。
② 火→(宇宙に普く遍在する火という観念)+(天体の運行、神々の世界、自然現象、人間の営みというそれぞれの運行、行為を祭式とみなす祭式至上主義の観念)=そのいずれの段階も、祭式の火に供物の水が注がれる祭式の解釈学から説明される。
∴火と水の連合から、東洋思想を覆う、輪廻の世界観が整えられる。
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